2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。

2008年度 医用中毒ブロック 講義末試験 大槻担当


O-1 学校給食で79人食中毒:群馬県は平成20年6月3日,邑楽町立学校給食センターが調理した給食を食べた児童・生徒らが食中毒の症状を訴えたとして,同センターを5日まで3日間の業務停止処分とした。県と町教委によると,幼稚園3園,小学校4校,中学校2校の児童・生徒76人と,教職員3人の計79人が,皮膚の発疹や顔面の紅潮など症状を訴えたという。うち9歳と10歳の女児2人が入院したが,いずれも症状は軽いという。町教委によると,2日午前8時過ぎに納入された切り身のカジキマグロの照り焼きが原因の可能性があるという。納入後1時間以内に加熱したが,納入前から腐敗が進んでいた可能性があるという。(2008年6月4日 読売新聞)

この事例の原因物質として正しいものはどれか。

a. 腸炎ビブリオ菌
b. O157腸管出血性大腸菌
c. ヒスタミン
d. ムスカリン
e. アマトキシン


O-2 岐阜の焼き肉店客からO157:岐阜市保健所は平成20年5月31日,同市瑞穂町の焼き肉店で食事をした4~28歳の客7人から病原性大腸菌O157を検出したと発表した。いずれも快方に向かっている。市保健所は集団食中毒と断定し,同店を4日まで5日間の営業停止処分にした。7人は5月16日から21日にかけて,カルビ,ユッケ,生レバーなどを食べた後,嘔吐(おうと)や下痢などを訴えた。(2008年6月1日 読売新聞)

この事例として正しいものはどれか。

a. 全例溶血性尿毒症症候群を発症した。
b. シガ毒素による症状である。
c. PCRで検出した。
d. 治療は抗毒素血清である。
e. 食前加熱は有効である。



O-3 子どものせき止め,はちみつが効果 米大学チーム: 子どものせき止めには市販薬より,はちみつを飲ませる民間療法の方が安全で効果的――。米ペンシルベニア州立大の研究チームが4日,医学誌にこうした調査結果を発表した。同大は風邪を引いた2~18歳の子ども100人以上を対象に調査。ソバはちみつ,せき止め薬,ダミーの服用剤の3種類を就寝前に服用してもらい,効果を見た。その結果,はちみつを飲用後,せきの頻度が減ったとの回答が最も多かった。はちみつに含有する抗酸化物質がせき止めにつながった可能性がある。ただ,(      )はボツリヌス中毒の恐れがあるため,はちみつを控えた方がいいという。(2007年12月05日朝日新聞)

この( )内に入る言葉として正しいのはどれか。

a. 1歳未満の乳児
b. 高齢者
c. 妊婦
d. HIVウィルス感染者
e. 給食作業従事者


O-4 加工食品のアレルギー表示,エビとカニも追加へ 厚労省:加工食品の食物アレルギー表示について,厚生労働省は,卵やそばなど5品目ある表示義務の対象に,エビとカニを追加する方針を決めた。27日に開く専門家による審議会にはかり,新年度に省令を改正する予定。 アレルギー物質の表示制度は2002年4月に開始。(     )の5品目をわずかでも含む場合,食品衛生法で表示が義務づけられた。違反すると罰金などの罰則規定がある。エビとカニは,大豆やゼラチン,イカなどと同様に,メーカーに表示を促す「推奨」対象の20品目に含まれていた。(2008年02月15日朝日新聞)

この( )内に入る言葉として正しいのはどれか。

a. 小麦,エビ,カニ,乳,落花生
b. 小麦,そば,卵,乳,落花生
c. トウモロコシ,そば,卵,サバ,アジ
d. カキ,マグロ,アサリ,乳,落花生
e. 小麦,そば,キウイフルーツ,牛肉,落花生


O-5 米産牛,危険部位混入 「吉野家」埼玉の工場で発見:厚生労働省と農林水産省は平成20年4月23日,輸入された米国産牛肉に,BSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱が混入していたと発表した。特定危険部位が見つかったのは,2006年7月に米国産牛肉の輸入が再開されてから初めて。市場には出回っていないが,両省は22日に米政府に調査を要請,輸出した米カリフォルニア州の工場からの輸入を一時停止する措置をとった。ダイエーなど一部の小売店も同工場からの牛肉を一時撤去する方針を決めた。問題の牛肉は,伊藤忠商事が昨年8月,ナショナルビーフ社カリフォルニア工場から輸入。牛丼店を展開する吉野家が購入し,埼玉県内の工場に保管していた。同社社員が今月21日夕,バラ肉として買った700箱(約17トン)の中に骨付きの腰部の肉が1箱(約27キロ)混じっているのを見つけた。(2008年4月24日 読売新聞)

この背景として正しいのはどれか。

a. 日本ではBSE牛は出現していない。
b. 特定危険部位には回腸遠位端が含まれる。
c. BSEとはヒトの疾患である。
d. 感染源はBSEウィルスと呼ばれる。
e. 遺伝子組み換えによって予防可能である。